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【ニコ生×TEAC】配信者向けオーディオインターフェイス TASCAM MiNiStudioはTwitch / Youtube live他にも使えるぞ

   

TEAC(ティアック)とニコニコ生放送(ドワンゴ)がコラボして開発された「TASCAM MiNiStudio CREATOR US-42」をTEACさんからお借りすることができました。

メーカ側はこの機材を二コ生コラボの「家庭用放送危機」と紹介していますが、実際には「簡易サウンドミキサー付きのオーディオインターフェース」です。映像関係の機能や配信ソフトとの連携機能は搭載されていません。このため、当然ながら、TwitchやYoutube Liveでも使える製品になっています。

今回は、ゲーム配信者向けに、この商品と他社製オーディオインタフェイスを比較しながら紹介していきたいと思います。

※本記事作成にあたって、しらたきとTEAC社との間には、評価機借用以外の関係はありません。

そもそもTEAC(ティアック)って何?

ゲーム配信の機材(オーディオインターフェース)というと、YAMAHA、SteinbergRoland、そしてBehringerあたりが有名どころだと思います(SteinbergはYAMAHAの子会社ですが)。

今回紹介するTEAC(ティアック)は、これらのメーカと同じようにオーディオ機器を開発するメーカで、東京の多摩市に本拠を置く国産メーカです。元々、1950年代に創業し、主に放送機材などプロユースな機材を開発してきました。このため、一般消費者向けの機材というよりも、プロ向けのメーカという印象が強く、正直な所、先述の4メーカに比べて、ゲーム配信者からもあまり知られていないのが現状です。

ただ、2013年には、アメリカの老舗ギターメーカ「ギブソン」社と資本・業務提携をし、一般消費者向け機材にもより力を入れ始めています。そんな背景の中で産まれたのがニコ生とのコラボモデルである「TASCAM MiNiStudio」です。

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TASCAM MiNiStudioとは?

製品名に冠される「TASCAM」は、ミュージシャンやクリエーターのための音楽制作用レコーディング機器・ツールのブランドの総称です。クリエーターであるゲーム配信者向けのこの製品にもこのブランドが使われています。

ニコ生とのコラボモデルであるMiNiStudioは、今回お借りした"CREATOR US-42"と、別モデルの"PERSONAL US-32"の2モデルがラインナップされています。オーディオループバック機能など、いろいろと機能はついているのですが、記事のボリュームがドンドン増えていくので、今回は配信者向けの機能に絞ってご紹介します。

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CREATOR US-42モデル

同梱物一覧

本体、取扱説明書、PC接続用のUSB2.0ケーブルの3つのみの簡素なパッケージになっています。ドライバ類はTEACホームページからのダウンロードになっていますが、サポートのページから製品を探し出せませんでした。製品ページにダウンロードリストは掲載されていますが、ちょっとTEACのホームページは見づらい印象です。

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MiNi Studioシリーズの特徴

先にも紹介しましたが、この機材、分類としては通常オーディオインターフェースと呼ぶのが相応しいはずですが、TEACは「家庭用放送機器」というキャッチコピーをつけています。

というのも、この機材は単純にマイクやBGMをミックスするだけではなく、音声演出に力を入れているためです。

効果音演出ボタン "PON"キー / ボイスエフェクトキー / リバーブトグル

ボイスエフェクト、リバーブ(エコー)が使えるオーディオインターフェースはそこそこありますが、このMiNi Studioの特徴の一つが「PON」ボタンです。

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各種音声演出機能用のボタン群

3種類の効果音サウンドファイルを割り当て可能で、各ボタンに割りつけられた効果音をボタン押下で放送に乗せることが可能です(3音を同時に出力することも可能)。例えば、放送中に決まったイベントが発生した場合にハッピーな効果音を鳴らしたり、大失敗なイベントが発生した場合にはダウナーな効果音を鳴らしたりと、使い方次第で放送を盛り上げることも。

特に、ゲーム配信者はゲーム中の画面以外にマウスカーソルを飛ばすことを嫌う傾向がありますから、今まではやりたくても効果音を鳴らすということは控えてきた方が多いでしょう。とびきり凄い機能ではありませんが、あると地味に便利な機能だと言えます。

ただこのボタン、押し方の強弱で再生音量の強弱がつくらしいのですが、そこまで凝ったことをする配信者がいるのかは、ちょっぴり疑問です(機能としては面白いんですけど)。

"ON AIR"ボタン

もう一つの放送機材らしさが、"ON AIR"ボタン。PCへのサウンド入力をOFF/ONすることが可能です。通常、オーディオインターフェースのマスターボリュームはカフ型もしくはトグル型のスイッチで、ボリューム調整とOFF/ONが一緒になっていることが多いのですが、この製品ではOFF/ONのみをこのボタンで操作する仕様になっています。

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放送機材らしく、"ON AIR"のボタンが

ただし、残念ながらPONのボタンはONAIRの有無に関わらず、効果音が鳴ってしまいます。製品の取扱説明書に記載されている入力系統の結線図を見るとわかるのですが、PC側のアプリケーションで再生しているらしく、ちょっと残念な仕様です。ON AIRの状態を見て効果音を鳴らすぐらいは、ソフト修正でできるはずですから、今後のファームウェア・ドライバ変更に期待という所でしょうか。

Creator US-42 インターフェース

家庭用放送機材としての特徴を説明してきましたが、簡単に入力系統の説明もしていきましょう。

手前面

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左から、ヘッドホン(ステレオ標準ジャック)、ヘッドホン(ステレオミニジャック)、マイク端子(TSジャック)、ライン入力、ループバック切り替えとなっています。

奥面

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左から、ラインアウト(RCAピンジャック)、電源ON/OFFスイッチ、USBポート(PC接続時給電/通信)、microUSB(タブレット時給電)となっています。

オーディオインターフェース自体の電源ON/OFFが可能な製品は少ないので、これも地味に便利な機能です。

PERSONAL US-32とCREATOR US-42の違い

US-42と、US-32の主な違いは、ライン入力の有無とマイク入力仕様の違いです。比較は以下からどうぞ。

Miniシリーズ比較表 (TEACホームページより)
MiNiSTUDIO PERSONAL US-32 MiNiSTUDIO CREATOR US-42
最適な用途 インターネット生放送、インターネット通話 インターネット生放送、インターネット通話、音楽/動画制作
PON機能
リバーブ
ボイスエフェクト
ループバック ○(常時ON) ○(モード切替でON/OFF)
携帯プレーヤー入力(AUX入力)
内蔵マイク -
マイク入力数(XLR/TRS端子) 1 2
ギター直接入力 -
マイクプリアンプ 高音質マイクプリアンプ HDDAマイクプリアンプ
ヘッドセットマイク入力数 1 1
ヘッドホン出力端子数 2 2
外部スピーカー出力(ライン出力) -
モード切替 -

VS 他社メーカ品での特徴は?

ゲーム配信者が使う機材としては、YAMAHAのAGシリーズ、SteinbergのURシリーズ、RolandのUAシリーズ、BehringerのXENYXシリーズなどがあげられます。

このうち、MiNiStudioと比較できうる機材として、YAMAHAのAG-03と、RolandのUA-4FX2と比較してみます。

MiNiStudio US-42 YAMAHA AG-03 Roland UA-4FX2
実売価格(2016/11/06 価格.com調べ) 17682円 15739円 未発売
発売時期 2016/06 2015/05 2016/12予定
マイク入力 2(ライン入力と排他) 1 2(うち1系統はライン入力と排他)
ライン入力 3(うち2系統はマイクと排他) 1 2(うち1系統はマイク入力と排他)
サンプリング周波数(最大) 96kHz 192kHz 192kHz
量子化ビット数 24bit 24bit 24bit
ループバック 〇(ON/OFF切り替え) 〇(ON/OFF切り替え)
ON AIRスイッチ ×
PON × ×
REVERBE
EFFECT
外部電源接続 microUSB micro USB ×
消費電力 1.5W 2.5W 非公表
大きさ(WxHxD) 200 × 40 × 130 mm 129  × 63 × 202 mm 146 x 110 x 42 mm
重さ 500g 800g 240g
動作温度 5-35℃ 0-40℃ 非公表
付属ソフト Cubase AI 8

MiNi Studioの特徴1:マイク故障防止への配慮

XLRの抜け防止機構が搭載されています。この価格帯で、これがついている製品はあまり見たことがありません。ファンタム電源が動くためか、取扱説明書にもとにかく「マイクボリュームは0にしてから抜き差ししろ」という旨がたくさん書かれており、初心者が誤って、コンデンサマイクを壊してしまわないような配慮が見えます。

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MiNi Studioの特徴2:細かい区切りのレベルメータ

果たして意味があるのか微妙ですが、なんかカッコイイ。配信のモチベーション的にはなんかかっこいいのも大事です。

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MiNiStudio CREATOR US-42は買いか?

配信を始めるにあたって、PONなど面白い機能も揃っていますし、初めて買うオーディオインターフェースとしては良い買い物だと思います。

ただ、すでに配信をしている人がアップグレードとして購入するのであれば、サンプリング周波数など一部見劣りする部分もありますので、注意が必要です。正直、発売して間もない製品ですので、2台目需要の人は少し価格が落ち着いてきてから購入するのでも遅くないかと。

とはいえ、信頼性の高いメーカが市場で配信者向けの製品をリリースしてくれることは、メーカ間の競争を生んでくれるため、大変ありがたいことです。他メーカも配信者向け製品を出してくれることを期待しています。

なお、評価機の無償レンタルは、TEACさんのTASCAMブランド公式Twitter @TASCAM_jp で(在庫がある場合は)案内されていますので、気になる方はフォローしてみてくださいね。

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